スマイル(2)

「失礼します。」
 ここで楽屋のドアが開いて、みっちゃんと一人の女の子が入ってきた。
 あの子、そうだ、妹分オーディションで優勝した子だ。14歳とか言ってたな。
福ちゃんと同じだな。
  みっちゃんが言う。、
「この子な、今日はうちらのコンサート見て勉強するって言うんでつれてきたんや。
ほれ、挨拶しいや。」
「あ、石川梨華です。今日は勉強させてもらいます。」ぺこりと頭を下げた。
スタイルいいな。この子もライバルになるのかな。
「じゃあ、そろそろ始まるからね。またね。」2人はそそくさと出て行った。

「あの子も、ライバルだよ。」とかおり。
「たんぽぽも、ロックモニも娘。本体もみんななっちのライバルなんだからね。」
「うちの演歌もね」裕ちゃんも負けずに言う。
すると、あやっぺが、
「内輪だけじゃないよ、今度さあ、フォルダーに後藤真希って子が入ったけど、
その子、すごいらしいんだ。知り合いのスタッフに聞くとみんな『あの子はすごいぞ』
『14歳とは思えない』て話ばかり。娘。本体もうかうかしてられないわよ!」

スタッフから「開演です」の声が聞こえた。
裕ちゃんを中心に円陣を組む。
「よおし、いっちょ気合入れるで。なっちを最高の舞台で送り出すんや。
がんばって、いきまっしょい!」
いきまっしょい・・・・・・・