スマイル(3)

「安倍さん、安倍さん起きてくださいよ。」
「あ、ヨッスィー」
ここは、楽屋だ。ヨッスィーがいる。
そうか、夢の中で起きちゃったんだ。
「もう起きないと。何で、あたしの得意技取るんだよ。今日はお菓子あげないからね。」
ごっちんが笑いながら言う。
「変な夢だった。」
「またきりんでも見たの?」とかおり。
「違うよ。」
「今日はさ、大事な新メンのお披露目デビューの日なんだからさあ。」
「ごめん、ごめん。」

一体何だったんだろう、あの夢。
あたしはまだ眠気の残る頭でぼんやりと考えた。

 新メン達が緊張してるのを見て、矢口が一所懸命笑わせて、リラックスさせている。
辻加護は、圭ちゃんをからかって遊んでいる。ごっちんはヨッスィーからベーグルを
もらって美味しそうに食べている。梨華ちゃんは、何時の間にかメロンの柴ちゃん
楽屋に呼んで喋ってる。
いつもの変わらない風景。