スマイル(4)

「これでいいんだね。」
あたしはみんなを見ながらぽつりと言った。
「そうだよ。これでいいんだよ。」
 かおりもみんなを見ながら言う。
かおり、まさかあたしが見た夢を知ってるんじゃ?
かおりの顔を見た。しかし、それは交信中の不思議な少女の面影はなく、リーダーとして
みんなを見守ってる横顔だった。
そうだよね、かおり、これからも2人で頑張ろう。
「13人で初めてのライブ、頑張るっしょ。」
「違うよ。」
「え?」
「17人だよ。」
「そうだったよね。」
あたしは笑った。そう、17人。ライブでもいつでも目に見えない4人のメンバーと
一緒に、歌って、踊っているんだ。娘。を辞めた人は一人もいない。

 スタッフから「開演です」の声が聞こえた。
 かおりを中心にして円陣ができる。
ごっちん梨華ちゃんに目が合った。
 大切な仲間。大切な17人の仲間。
 「今日は、4人の娘。のライブデビューの日です。素敵な思い出を作りましょう。
 がんばって、いきまっしょい!」
 いきまっしょい!
 あたしは最高の笑顔で応えた。

                               、

                                END